第2章 テスト→睡眠不足

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ガラガラっとドアをスライドさせて中へと踏み込むレノアス。教室にはまだ誰も来ていないらしい。 (朝の教室って空気悪っ) 誰かがこぼしたのだろうか?  心なしかカレーの匂いがする。 そんな生々しい空気を追い出そうと、レノアスは教室の窓を全快に開けた。 少し冷たく乾いた風が教室に流れ込んでくる。 (秋ももう終わりだな……) 季節の移り変わりを肌に感じつつ窓際最後尾の好ポジションに腰を降ろす。 バサッ レノアスはコンビニ袋をひっくり返した。中からおにぎりの山が現れる。 少なく見積もっても10数個はあるだろう。 まるで部活の買い出しに行ってきたような光景である。         「まずは梅でしょ」 定番の梅を探し当てると、馴れた手付きでそれを取り出した。 「いただきまーす」 パクパクと止まることを知らない口…… 尋常じゃない早さでおにぎりの山がなくなっていく。 どう考えても、育ち盛りという理由で朝から食べる量じゃない。 そして10分後 山は更地に変わってしまった。 「2つずつ買っとくべきだったな」 レノアスは真顔でつぶやいた。 (……さて、始めるか) レノアスは筆箱からペンを取り出して復習を開始した。
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