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電車が着いたのだろう。生徒たちがきつい坂を登ってくるのが見える。
GFSは1学年7クラス30人の四年制学校だ。
四大国家のうち3つの国がすでにGF計画を奨めている。
それだけこの時代は力が求められる時代なのであろう。
「おはよーレノアス、ニルバーナ」
非常に眠そうな表情を顔一面に貼り付けて、ジェイドもやっと登校してきたらしい。
「「おはよー」」
片手を上げて二人が返す。
「おいジェイド!ぜってぇ昼飯はやらないからな!」
その片手をそのままジェイドに突きつけ、レノアスが勢いよく宣言する
「……なんだっけ?」
ジェイドはにっこりと笑いながら聞き返してきた。
これはレノアスの闘争心を萎えさせるための作戦……であったならまだレノアスにも受け入れようがあるのだろうが
「アレだっての!」
レノアスが力なく怒鳴る。
という、ちょっと器用な技を披露するも、ジェイドが返事を返すまでに妙な間があったことは隠すに隠しきれないし、誤魔化しようもない。
「……冗談だよー」
ハッと思い出したようにジェイドが言う。
(忘れてたなこいつ……)
ジェイドにレノアスの冷めた眼差しが向けられる。
「またアレやるんだー?ドンマイ!レノアス」
そう無邪気に言い残すとミルファは席についた。
「うおぃ!まだ始まってもないんですけど」
レノアスが声をあらげてツッコむ。
しかし、答えたのは別の人物だった。
もっと大人な
「いいや、レノアスもうホームルーム始まってるぞー早く席につく!」
レノアスたちの担任で美人教師として名高いリクが入ってきていた。
「そうなんだけど、そうじゃなくてさー」
「いいからすぐに戻る。」
リクの目力に負けてレノアスは自分の席に座った。
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