第2章 テスト→睡眠不足

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「ちなみに俺はジェイドに賭けた」 ドッと鈍い音がこだまする。 レノアスの指がクラムの肋骨と肋骨の間に食い込んでいる。 「グぁーー死ぬー」 「五月蝿いバカ!」 カシスの素早い前蹴りが決まってクラムは倒れて動かなくなった。 いじめじゃない、只単にみんなSなだけだ。 (ありがとうクラム、そしてさようなら) パチッパチッと、ジェイドは手のひらを合わせて黙祷している。 (手を叩くのはおめでたい時だぞ? あっおめでたい?おめでたいか) レノアスは納得して1人頷く。 「これ賭けのリストやけど見たいか?」 2人が頷くと、フレアがノートを開いた。 「どれどれ……」 ページ一面がジェイドの名前でいっぱいだった。 「ジェイドー頑張ってね」 「期待してるぜー」 「みんなーありがとー」 (倍率的に賭けになってないけど) ジェイドは選挙にかった政治家のように支持者たちに手を振る。 その一方でレノアスは 「ブツブツ……」 かなり凹んでいた。 「大丈夫やレノアス、ここよう見てみ」 フレアが指差した先には数あるジェイドのなかで一つだけ レノアス=シュナイル と書かれていた。 このおかげで賭けになっているらしい。 仮にジェイドが勝っても入ってくる利益は限りなく0に近い。 「俺は唯一俺を信じてくれたこの人のためにジェイド!お前に勝つ!」 とそれらしいことを言ってみたが、ジェイド派は盛り上がっていてレノアスの声は聞こえていなかった。 (チクショ-お前ら泣かしてやるかんな。俺が俺にかけて金巻き上げてやる。) 今日の掃除はあきらめなければいけないらしい。 (たまにはカッコいいこと言うじゃん) この賭けの首謀者であり、唯一レノアスに賭けたミルファは微笑みながら教室を出ていった。 ミルファのカッコいいの基準はなんなのだろうか?
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