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「これってなんだっけ?」
軽い度忘れであろう、ミルファがレノアスに参考書を見せる。
「ん?じゃあヒント。
炭素にアミノ基とカルボキシ基がついてるのはアミノ酸だよな?」
「ってことはたんぱく質?」
「良くできましたっと」
レノアスは教えるのがとてもうまいと局所限定的に評判だ。
答えを教えるのではなく、見方やその解き方を教える
本人が言うには
「事実を知ってもその背景を知らなければ、それは真実とは言えない」
とのことらしい。
レノアス哲学だ
クラムには理解してもらえなかったのだが……
まぁ、だからバカなんだと思うレノアスなのだが
「そろそろみんな来るし終わりにする?」
ミルファがうるさいとあまり集中できないと言っていたのを思い出すレノアス。
「おうっそうするか」
二人が教科書をしまったところでレノアスがあめを取り出した。
「ちょーだい」
ミルファが一切遠慮なく引ったくる。
「あげる何て言ってないぞ?」
レノアスがふざけ半分にそう言うと、ミルファはうつむいてあめを戻そうとする。
こういうとこは謙虚だ。
「あ~でもあげないとも言ってない……」
ミルファはすぐに笑顔に変わる。
果てなく子供である
(分かりやすいなー。ってかあげないわけにいかねー)
「あげるに決まってんだろ?食べよーな」
今日も仲良くあめを舐めはじめる2人。
「朝からイチャつきやがって、あいつらできてんのか?うらやましいー」
「私のレノアス……渡さないんだからー」
クラムとカシスがひっそりと見ていた。
クラムは羨ましそうに、カシスは楽しそうにしている。
カシスの趣味はレノアス弄りだったりする。
それは周知の事実だ
((お巡りさ~ん不審者がいますよー))
ジェイドとフレアは素直に思った。
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