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「……ぅ………ぁ……?」
閃光に思わず目を閉じていた竜矢は、自分がまだコックピットの中に居ることに気が付いた。
「……なに、が…?」
まだぼやける視界で、メインモニターに視線を移す竜矢。
そこに写っていたのは……
「な…!?」
ぼやけていた視界が一瞬にして鮮明になる。
そこに写っていたのは今にも竜矢の首を切り抉らんとする「化物」が握る剣の切っ先だった。
「なんだ……?ふざけているのか!?」
死の恐怖から解放され、次に竜矢の身を震わせたのは、憤りだった。
『……………』
そして、そんな竜矢の怒りを知ってか知らずか、目の前の「化物」は身を翻すと、
「待っ……!!」
竜矢が言い終わるより早く、飛び去った。
◆
「なんだってんだ…くそっ」
竜矢はコックピットの中、自分にとどめを刺さずに去っていた「化物」を思い出していた。
(あの時…あの閃光は信号弾だった……だが、あれは…)
暗く、メインモニターの灯りだけが手元を照らすコックピットの中で、竜矢の思考は次第に「化物」の事から先の戦闘での不可解な点へと移っていく。
(あれは…正規軍のでも……他の軍の物でもなかった…)
あるいは、正規軍が信号弾のパターンを変えたのか?と考えていた竜矢の耳に、帰還命令を伝える通信が聞こえた。
(なんにせよ、今は情報が少なすぎるか…)
そう結論を出した竜矢は、炎皇を本部へと向かわせた────
【conflict&contact】end.
to be continue...
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