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「お兄ちゃん…」
妹の加奈が広太の遺影を抱き締め、その場に泣き崩れた。
その加奈を支え、涙をこぼす父と母。
そして、その横では、広太のクラスメート達が寄り添い合って涙を流し、悲しみをわかち合っている。
その中には親友、拓也の姿もあった。
涙をこらえ、じっとその光景を見つめていた。
(拓也…あのバカ…。オレが死んだ時ぐらい泣けっつーの!)
(母さんも、病気なのに外出許可をもらって出席したのか?
無理させちゃったな…大丈夫かな?)
広太は色々と考えているうちに胸が熱くなるのを感じた。
そして、一言。
「行こう…。」
と言った。
この場にいるのが辛くなったからだ。
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