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「どうします?」
死神が聞いた。
「ちょ、ちょっと待って!!」
広太は困った。確かにもともと美咲のせいで死んだのだから「うん」と言えばいいのかも知れないが、やっぱり後味が悪い。
それに、美咲は女の子だ。『今日から突然女の子』ってのにも抵抗があった。
(う~ん…どーしよう…。)
「…あの、まだ時間かかります?」
「えっ!?あ~…」
広太の曖昧な返事に溜め息をついて死神が言った。
「はぁ~、では、ワタシは他にもお迎えにあがらないとならない人達がいますので、これで一度失礼しますが、よろしいですか?」
「え?…あ、うん。」
広太がとりあえずうなづくと
「まー、まだ時間はありますが、あまり魂だけの状態でいますと呪縛霊になってしまいますので気をつけて下さいね。 また来ます。」
そう言って死神は姿を消した。
広太と美咲は二人きりになり、重たい空気が流れた。
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