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未来は鏡に写る石と自分を見つめた。
「あまり、その石には触れんほうがよい」
未来が振り返ると、おおばば様が哀しげな表情を浮かべて立っていた。
「どういう意味ですか?」
「今、それを香芝君に話していた処じゃ」
おおばば様は不機嫌な香芝に目を向けた。
「少々、酷な話じゃが始めから話そう」
おおばば様は自分の椅子に座ると、二人にもソファーを勧めた。
二人が座ると、おおばば様は話し始めた。
「その石は……封印であり、神の御子の証じゃ」
未来は首を傾げた。
「それはどういう意味ですか?」
「そのまんまの意味だよ。神様が自分の都合で俺らを作って、俺らにとんでもない力を押し付けたんだとよ」
香芝は吐き捨てるように言った。
「ちょっと待って、神が私達を作ったってどういうこと?」
混乱する未来の肩に、おおばば様が手を置いた。
「理解するのは難しいと思うが、光の神が氷見夜を――闇の神が香芝君を創った。つまりは、二人の親は神じゃ。故に、そなたらには神が与えたすばらしい力がある」
突然、香芝が机を叩いた。
「すばらしい力が聞いて呆れるぜ!」
香芝はおおばば様を睨み付けた。
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