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「神様はな、俺にとんでもない物を押し付けたんだ」
香芝は頭を抱え込んだ。
「俺はな、闇の神に創られたらしい。だから………闇の性質を、俺は受け継いでいるだ!」
香芝は叫んだ。
「……香芝君」
おおばば様は香芝の隣に立った。
「俺さぁ、こんなに怒るつもりはなかったんだ。だけど、イラつくんだ。今までこんな事なかったんだけど、頭の中で声がする。
『殺せ、殺せ!血を滴らせろ、血を俺に!』って……俺は悪魔なんだ!」
未来は驚いて香芝を見た。香芝は確かに怒りっぽくはあったが、おおばば様にこんな失礼なことを言う奴ではない。だから、香芝の言うことは本当なんだろう。
でも、未来は香芝のことを知っている。努力家で、勇気がある奴だと。
「香芝……違うよ。香芝はマホロの者だよ」
未来は優しく微笑んだ。
「だって、私を大怪我しながら受け止めてくれた奴が、悪魔の訳がない!」
未来は穏やかに、香芝に笑いかけた。
「いや、それは……」
「香芝が悪魔なら、沙也加は大魔王でしょ!」
「それは、そうだな」
ちょっとだけ、香芝に笑みが戻った。
そんな二人のやり取りをおおばば様は優しく見ていた。
「……未来さん、そなたにも言わねばならん事がある」
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