鏡合わせ

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「初代様の名はそなたらも学校で習ったじゃろう?この地を創り、法律や政治の基本を作った。『ソフィア・ロロン』『ガメンナ・チャール』この二人が、初代の神の娘と神の息子じゃ」 おおばば様は、そこで一端言葉を切った。 ソフィアの名前は、学校で何回も聞いた。そう言えば、ソフィアも神の子供だと習った。 「神の子供が生まれたかは謎じゃが、この二人は生まれながらに強大な力を宿しておった。そして、その強大な力で創られたのはこの世界じゃ。 しかし、神の力を宿しているとはいえ創った世界は不完全じゃった。この世界は、そなたらの世界を元にして創られた世界、これは知っておるな。じゃから、この世界には不安定な場所や、おかしな現象が起こる事がある。これも習ったの。 じゃが、それを抑える場所がある。 それは……光の森と闇の森と呼ばれる場所。あそこは、神々がこの地を安定させる為に、我々に与えた力。そして、そなたらの聖地でもある」 「俺らの聖地?」 香芝はいぶかしげな表情を浮かべた。 「そう、代々の神の子供も、そこで力を清め強めた。 人は森に近寄る事は出来るが、一番奥に入れるのはそなたら、神の子供だけじゃ。神の子供の書によると、奥には小さな湖があるらしい。詳しい事はわからんが、それが身を清める場所なんじゃろう」
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