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―――――俺の言う、今現在より1日前―――――
HR終了後。教室の向こうから部活に行こうとする俺に呼びかける声が響いた。
「おーい、琲慈(ハイジ)ぃー。ちょっと待てよー」
無視だ、無視。
「聞こえてんだろー?返事しろよー」
聞こえない、聞こえない。
「なんでシカトすんだよー。琲慈にちゃん付けで呼ぶぞー。良いのかぁー?」
聞こえないフリでさっさと行こうとする俺にしつこくまだ叫んでいる。
しつこい。さっさと帰れ。
そんな俺の心の声にそいつは気づいていないらしい。いや、気づいているが気づいていないフリをして強引に会話に持っていこうとしているのだろう。
勿論、そんなのに付き合ってやる気はさらさら無い俺はそのまま部活に行こうと下駄箱までなんとかたどり着いた。
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