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「あ…、あ…、ごごごごめんな…ごめんなさい!」
全力で焦るように、少女は帽子屋の上からどき、すぐに立ち上がった。
帽子屋も、解放されてからすぐに立ち上がる。
背丈は自分より小さく、顔は軽く幼く何より
"見覚えのある顔"だった。
「あ、怪我は無い?本当にごめんなさい、怪我をしてたら…私償うわ!」
いやいや、大袈裟だろ。
少女の言葉に心でツッコミ、帽子屋を深くかぶり直す。
「怪我はしてねぇ」
無愛想に答えると、背中に付いた埃をパンパンッと叩き、靴を履き直す。
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