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「…そう、なら良いわ…」
心配そうな声で言い、少女は後ろを振り返った。
右手をエプロンのポケットに入れ、何かをしている。
気になったが帽子屋は、気にしていない素振りを見せ少女に声を掛けた。
「…お前あの悲鳴なんだ?」
声の主と確定した出来事は一切起きてないのに、帽子屋は声の主をその少女だと勝手に確信していた。
少女はきょとんとし、すぐに閃いたような顔をした。
「あぁ!あれは、ネズミを見付けて驚いてたの」
苦笑いをしながら語る少女を見て、帽子屋は興味無さげに口を開く。
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