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夕日は完全に沈んでいたので、森の中はもっと深い闇に飲まれている。
本当に目を凝らさないと道すらも見失いそうな暗さだ。
というか見えるだけでも奇跡的
「真っ暗ね」
楽しそうにアリスは言い、軽くスキップをしながら付いてきている。
帽子屋は横目でアリスを見ながら冷たく言い放つ。
「帰れよ」
「え?なんで?」
…――いや、なんでって…
「危ないだろ、女が暗い森の中にいるなんて」
「大丈夫!」
帽子屋の言葉を遮るような大きい声でアリスは胸を張りながら言った。
「帽子屋がいるでしょ?」
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