悲劇の小屋

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「可愛い!小さいお家ねっ」 アリスははしゃぎながら、三月ウサギの小屋を眺めている。 帽子屋はそれを不思議に思いながらも、少しだけ警戒をした。 もしかしたら、元々ここを知っていたのかもしれない… 何かしらの理由で来たのかもしれない…油断はできない。 そんな帽子屋を他所に、アリスは扉の前で軽くスキップをしていた。 振り返り帽子屋に問う。 「ねえっ!この小屋って誰か住んでいるのかしら?」 キラキラと輝いた目で見つめられ、一瞬「コイツが目的があってここに来るのは有り得ないかも」と、帽子屋は思った。 …―――完全に。
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