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…―――
「…まだ起きていたのかい?」
ピクッ
後ろを振り返ると三月ウサギが立っていた。暗くて表情が見えない。私はにっこりと笑う。
「ええ、夜風に当たろうと思ったの」
「そんな゙身なり゙で?」
三月ウサギの声音が変わる。
風のように私を切り裂くような…そんな言い方だった。
…――見えていないはずよ、真っ暗だもの…。
「なんの話?あぁ、寝巻姿だからって事かしら?」
「君の寝巻姿いつもそうなのかい?」
三月ウサギの嘲笑うような声に私は身震いした。一歩後ろに下がる。
ピチャ
「…血の匂いだ…」
三月ウサギが小さく呟く。
まるで
…―狂ったみたいに
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