夢の世界へ

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「お前、少しおかしいぞ」 三月ウサギは眉をひそめながら帽子屋に向かって言う。 いきなりこんな行動を取った為に変だと思われたのだろう。 帽子屋は"いつも"のように帽子を深く被り直した。 「いや、なんでもない。気にすんな」 「……………」 無言のまま三月ウサギは帽子屋から視線を逸らした。 …――疑われてるな。っていうか、俺の方が疑いたいんだけど。 心の中でぶつぶつ呟きながら、帽子屋は目の前に置いてあるティーカップに手を伸ばした。 温かいカップに触れた途端、これは夢ではないと実感した。 …――俺は帽子屋
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