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「…帽子屋は?」
三月ウサギは睨むように帽子屋を見下ろした。黒くガラスのような瞳は拒むことを許さなかった。
仕方なく帽子屋は肩をすくませ首を縦に振った。
三月ウサギは鋭かった目付きを緩ませ、テーブルの上にあるお菓子が入っていた皿やティーポットなどを片付け始めた。
ふと、顔を上げてヤマネに視線を移し柔らかな声で指示を出した。
「家の中に布巾があるから、塗らして持ってきてくれ」
「分かりました」
素直にヤマネは了承し、ぱたぱたと家の中に消えていく。
すると、三月ウサギの言葉は、今度は帽子屋に投げ掛けられた。
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