1人が本棚に入れています
本棚に追加
ガチャリ…
扉が開く。
侵入者が、入って来た。
鶯は…
宝石の中に隠れたらしい。
彼女の姿は無く、宝石だけが台座に置かれている。
「戴きに参りました
鶯を、よこしなさい」
相手はそう言って、私にナイフを投げつけた。
私は軽く刀で弾き返す。
三流盗賊か…
私の頭を、そんな考えがよぎる。
自分の盗みたい物がそばにあるのに、飛び道具を武器にするとは…
「…笑止!!」
私は相手に切りかかった。
物の数秒間で、相手は息絶える。
…鶯を狙うにしては、雑魚だったな。
「…鶯、もういいぞ…」
そう言うと、鶯の宝石から、光が溢れて
その光の中から、あの少女が現れる。
「…蒼様!
お怪我ない?
大丈夫だった?」
鶯は私の体の周りを
ぐるぐるぐるぐると回って見回す。
その仕草が、あまりにも愛らしくて
私は彼女を抱きしめる。
「…大丈夫。
鶯、私がそんな簡単に怪我するわけ無いだろう?」
…カラン
「!?」
盗賊の体から、何かが転がり落ちた。
黒い石…
…これは
「黒水晶?」
カッ
そう言うと同時に、黒水晶は光輝いた。
中から女が現れる。
年は、鶯より少し大人びて見える。
最初のコメントを投稿しよう!