宝石

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漆黒の髪に瞳 喪服のようなドレスを纏い、額に黒水晶の飾りをつけた女が現れる。 「はじめまして。 私は黒水晶と申します。」 鶯よりは低い、大人の女の声 その全身から放つ黒いオーラ どこか毒気さえ、感じてしまう。   「私の名前は蒼。 後ろに居るのは私の宝石のうぐ…? どうした?」 鶯は私の後ろに隠れて震えていた。 「…恐い… 蒼様、鶯は…あの人嫌!」 そう言って、鶯は私にしがみついてきた。 「何を言う。 同じ宝石聖霊だろう?」 「違うわ… 違う。 違う違う違う違う!!! あの人は…恐い!!」 「そうね…違うわ。」 黒水晶が口を開いた。 「私は…天然の聖霊 貴女は…ふふふ どう育てられたのかしら? クズ石が、そんなに美しくなれるなんてね?」 「く…クズ石? 鶯は…鶯は…」 鶯は今にも泣きそうになっていた。 だが、鶯が泣き出すまえに、私が苛立ちを露わにした。 「…黒水晶とやら 鶯をクズ石やらなにやらと呼ぶでない。 鶯は私の大切な宝石だ。 クズ石だ…など、わかったような口を利くな。」
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