一球のボール

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直輝は、バスケに興味があるわけではなく、一緒についてきたにも関わらず、一人でブランコに乗って二人を見ていた。 恵介がオレンジのボールをつきながら股の間をくぐらせたり、自分の後ろを通したりしている。 直輝はジッと見ている。 ちょっぴりどんくさい兄ちゃんがあんだけあっさりドリブルをついてるんだからよっぽど簡単にできるのだろう。 そう決めつけていた。 いろいろと技を披露しながらもドリブルをつく恵介から、鷹義がボールを奪おうとして弾いた。 弾かれたオレンジのボールはまっすぐ転がって、直輝の乗っているブランコのところにきた。
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