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ちゃんと使ってくれてると思うとちょっと嬉しかった美咲。
美咲父「ただいま~❗」
そこへ美咲父が仕事から帰宅した。
午後8時過ぎ。美咲父の帰宅は早くてもこの時間だ。もっと遅くなるのが殆ど。
勤務先が遠いのである。電車で片道1時間半だもの。そりゃ大変だわ…💧
美咲「⁉…💦」
どうしていいかアタフタ美咲嬢。
美咲母は旦那を出迎えに玄関へ向かう。
美咲母「お帰りなさ~い❗(^-^)/」
美咲父「いや疲れた疲れた…💧(^_^;)」
美咲母「フフ。お疲れ様➰('-^*)/」
玄関から父と母の会話のやりとりが聞こえる。
もうすぐこの居間の部屋に父が来る。
美咲は自分の部屋へ逃げそうになった。
しかし、突然彼女は思ったのだ。今まではまったく気にもしていなかった自分の父親の事を。
毎朝早くに家を出て、長い距離を電車で移動。
会社で遅くまで家族のために働き、夜遅くに帰ってきて…。
なのに娘に嫌われて…、1年以上も口も聞いてもらえない。
もしコレが自分の立場であったら耐えられない。
もし自分が、自分の子供に…と思うと。
毎日こんなにも頑張ってるのに、あまりにも報われない。
美咲は父に対し哀れみではなく、自分が今までしてきていた事にすごく申し訳ない気分になってきた。
そして睦月に言われた言葉を思い出す美咲。
何度も何度も頭の中に響くあの言葉。
睦月「美咲ちゃんはお父さん嫌いなの?(・ω・)/」
美咲(…別に…、嫌ってなんかねぇよ➰)
美咲は居間から廊下に出て、1年ぶりに父親と顔を会わせた。
美咲父「…み…さき…?💦」
ビックリした様子の父。
なんせ一年ぶりに見る娘の顔。
美咲(パパ…。ちょっと痩せた…かな?)
言わなければならない事はたくさんあるが、彼女の父への1年ぶりの言葉は決まっていた。
美咲「…お帰り…。パパ…o(^-^)o」
一年ぶりの娘の声。
一年ぶりの父親の顔。
その日、美咲の家族は久しぶりの家族水入らず。
一緒に夕飯を食べ、テレビを見て…、多分多くの人達にとって、それは当たり前な光景。
しかし美咲と彼女の父にとって、それははてしなく遠く…。遠くて、遠すぎて、諦めていた光景。
しかし、遠く離れた父と娘の心の距離は、たった一言の言葉でまた近付ける事は出来るのではないだろうか。
絆さえあるばね👍
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