丸根城攻め

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上洛を目指す今川軍先鋒隊は、松平元康、朝比奈泰能、井伊直盛の三将が任じられていた いずれも外様の属将で、困難な役目を命じられた なかでも、松平隊の役目は最も困難なものであった 三将の役目は、井伊直盛が開戦の先陣をつとめ、朝比奈泰能が鷲津城を攻め、松平隊が丸根城攻めと大高城へ兵糧運びである 最も困難なのは、大高城への兵糧運びである 足の遅い小荷駄隊は格好の標的となり全滅の恐れがある 成功すれば一番の武功であろう 丁度この頃忠勝は本隊に合流した 忠勝は駿府での出来事を元康に伝えた 翌日 松平隊は大高城に向け出発した 松平隊は、全軍を三つに分けた 一番隊を酒井忠次が小荷駄隊の両側を守り、二番隊の松平正親が全面を進み、三番隊の本多忠真は殿を固めた 本来なら本家の忠勝が指揮する立場だが初陣であるため叔父の本多忠真が忠勝の代役をしていた
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