名も無い記憶

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 そんな恐怖と絶望で止まった俺の世界を動かしたのは、一つの風切り音と後ろにいた複数の仲間達のうめき声だった。  銃撃?俺は愚かにも後ろを向いてしまった。そこには絶命した仲間があるだけだ。ヤバい殺される、そう感じて俺は侵入者の方に振り返った。  奴らは、あらかた作業を終わらせたためか、三人が集まっていた。三人?  そう思った瞬間、世界がクルッと回ったように感じ、落ちて行く。俺の体はいうことをきかず、頭は事態を飲み込めない。  そして地面に接した時、俺は全てを悟った。体が無いのだ。そして目の前には首の無い俺の体らしきものが。クソ、俺は今日の運が良かったはずだぞ。何故こんなこんなことに……  ここで俺の意識は、俺の存在は、闇へと消えていった。
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