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そして、これは混沌した世界では小さな出来事だったのかもしれない。
12才だった俺は瓦礫と化した街でただ泣いていた。
世界が崩壊した時のことは、覚えていない。
そして気付いた時は周りに誰もいない、いや人だったものはあったかもしれない。
そんな得体の知れない恐怖を味わい、頼れる人もいないなら泣いてしまうのは当然だと思う。
「おい!そこに誰かいるのか?」
知らない男の声がする。こんな状況で声を掛けてくる奴が良い人な訳がない。
逃げなくては、そう頭に思っても腰が抜けたのか体がいうことをきかない。
そんなことお構いなしに、どんどん声は近くなる。
心臓が凄い音を上げ、頭には『急げ!早く!』と警告を出している。
「なんだ坊主こんな所にいたのか」
見つかってしまった!
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