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「ちょっと、本当に行くの…?」
月の光が学校を照らしてる中、男子が2人、玄関前に立っていた。
まだ新しい校舎でも、夜になったら姿を一変させる。
沈黙と暗闇が恐怖を誘い、体をブルッと震わせて。
神崎湊[かみさきみなと]は、ごくごく普通の高校3年生。
セミロングの茶色い髪に紅みのかかった瞳が特徴的で、その容姿や性格から、よく女性と勘違いされてる。
肝試しとかは大の苦手で、今すぐこの場を逃げ出したい訳で。
「んだよ、今さらビビッたのか?」
体を震わせている湊の横で大きなため息を吐いてるのが湊の親友、加賀野鈴[かがのりん]だ。
黒い短髪に、人を吸い込むかのような黒い瞳。
性格は湊と正反対で男らしく、一部の女子から人気がある野球部のエースだ。
そんな二人が夜の学校に来ることになったのは、最近学校で騒がれてる噂のせい。
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