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一体何があったのか…。
それが解らないからこそ、余計に好奇心が湧いてしまう。
鈴も好奇心が湧いた一人で、真相を確かめるべく、親友の湊を無理矢理誘って現在に至る訳で。
「そろそろ日付が変わるんだから、さっさと行って帰ろうぜ」
未だに体を震わせている湊をなだめるように言うと、湊も観念したのかコクンと頷いた。
やはり夜の校内は怖いもので。
静まり返った廊下に、二人の足音だけが響く。
時折聞こえるピチョンと言う音が、余計に恐怖感を煽った。
「鈴、早く帰ろうよ…」
校舎に入って2分。
湊にしたら頑張ったほうだが、いくらなんでも早すぎる撤退志願。
「お前…、まだ何も見てねぇんだけど…」
鈴が呆れたように呟くと、湊は首を横にブンブンと振りだした。
「見たくない見たくない!!何も見たくない!!」
まるで子供のようにダダをこねる湊の声が、校舎の中で響き続けた。
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