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僕が寝ていると   屋根を叩く音がして   僕は目が覚めた   けれども身体が   動かなかった。   自然と涙が出て   止まらなかった。   声を出そうとした   けれどそれも無理だった   頭に響く叩く音。   頭の中で助けてほしい   とどれだけ願っただろう   しばらくして   身体が動いた   僕は隣で寝ていた姉に   泣きついた。   聞いてみると   屋根を叩く音など   しなかったらしい。   あの時に見た手   頭の上で   呼んでいるような手を。   今でも覚えている。   だから暗い中で   目の前に手を出されると   僕は泣いてしまう時がある。  
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