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The world without the end.
――――――
「後は、任せます。必ず戻って来ますから」
「安心しろ。こちらとあちらの時間は違う」
渦巻く銀色の前に、彼らは立っている。
「そうだ。私の――を持っていけ。誰でもないお前なら、扱えるだろう」
羽を広げ、彼女はそんなことを口にした。
「……わかりました。この名に懸けて、再び相見える時にお返しいたします」
そうして、彼は彼女に背を向ける。傍らの漆黒に手を伸ばした。
「行こう。俺たちの世界を、取り戻す為に」
――その手を。
悪魔は強く、握りしめた。
――――――
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