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=真琴 編=
「チェックインを…」
その日の仕事を終え、出張先のホテルでチェックインをした。
スーツを早く着替えたくて自分の部屋へと急ぐ。
「荷物をお運びします。」というベルガールに丁重に断り、エレベーターに乗り込んだ。
Closeのボタンを押そうとした途端一人の男性が走り込んできた。
「スミマセン…」
少し不自然なイントネーションで彼は私に頭を下げた。
「・・・・」
あまりの驚きに、ただへんてこな笑顔しか返せなかった。
- ああ、変な顔してるよ…てゆーか、この人なんでこんなに急いでんの??
なんだか気まずくて、ずっと上を見上げていた私…。
宿泊する階にエレベーターが止まった。
無言で出るのも気が咎めた私は、
「じゃあ…」
と、軽く会釈をしてエレベーターを降りた。降り際にちらっと見えた彼の顔には…涼しげな微笑みが浮かんでいた。
- き、緊張した~(・_・;)なんて気まずい雰囲気…。それに、なんで笑ってたの??
早く着替えてご飯でも食べにいこ…。
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