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『玲羅さま、大丈夫ですか?』
優しい眼差しで玲羅を見る。
『ああ。助かったよ。
ありがとう。』
ホッとした玲羅が、二度と落ちたくないとアリ地獄から離れる。
『それより、よくここがわかったな。』
琉萎(るい)が頭を下げる。
『若様が、玲羅さまについていろと。』
神妙な様子で答える。
琉萎に若様と呼ばれているのは夜魅のことだ。
『でっ。あいつはどこにいった?』
怒りを抑えながら、琉萎に聞く。
『さぁ。どこでしょうか?
若様の気まぐれは今に始まったことではありませんから。』
玲羅が琉萎を見る。
『そうか。わかった。』
納得がいかないまま、とりあえずうなずく。
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