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玲羅は、汗を流しながら、ひたすら砂漠を歩いていた。
彼女の腰には、刀がさしてある。
小柄な少女には、とても似つかわしくない代物だった。
足を砂にとられながら、よろよろと前に進む。
疲れたのであろう。
玲羅が立ち止まり、手をかざし空を見る。
サンサンと降り注ぐ日差しと暑さに頭がクラクラする。
いや!
クラクラしたのはそれだけの理由ではない。
優雅に漂う魔性の姿。
それをみて怒りに頭がクラクラしたからかもしれない。
(くそっ。こっちはこの炎天下の中、必死に歩いてるって言うのに、
こいつは、また呑気に昼寝しながら、漂いやがって!!)
イライラとしながら、上空に漂う魔性を睨む。
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