プロローグ

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呼ばれた当の本人は、うるさいなぁといった表情で下を見る。 『おい。ちょっと見ない間に、変わった遊びをしてるんだな。』 あくびをしながら、夜魅が興味がなさそうに言う。 『おい。これのどこが遊びなんだ。早く助けろ!』 肩まで、砂に埋もれながら怒鳴る。 それでも、破魔刀である翔輝を(破魔刀の名前です。)落とすまいと上にあげる。 『ふーん。 それが人にものを頼む人の態度なの? 教えたはずだがな。』 その言葉を聞くまでは、助ける気はないとばかりに、寝転んだままゆらゆらと漂いつづける。 (こいつ。) 心の中で舌打ちをしながら、玲羅が口を開く。 『お願いだ。助けてくれ。』 夜魅が睨む。 玲羅はため息をひとつつく。 『お願いします。助けてください。』 ニヤリと笑う夜魅は、うれしそうだった。
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