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「それで、真くんをこんな風にした張本人は?」
先ほどから姿が見えていない。
「燐姉だったら自分の部屋に引きこもっちゃった」
「今までいくら下手くそって言ってもへこたれなかったけど、真ちゃんが倒れたことでさすがにショックを受けたらしいわ」
そりゃそうか。愛しの人が自分の料理を食べて倒れればそれはショックだ。
「しばらくそっとしておいた方がいいわね」
お姉ちゃんはそう結論付けた。
と、その時、
「…ん、ん…」
「あ、し、真くん…!?」
†
「…ん、ん…」
ゆっくりと目を開くと、四姉妹の内の三人が心配そうに僕の顔を覗き込んでいた。
いつの間にか自分の部屋のベッドに寝かされている。
「真くん!大丈夫!?」
「…あれ…僕…?」
確か燐の作ったチャーハンを食べて…。
「燐姉のチャーハンを食べて倒れたの」
「そうか…燐に悪いことしちゃったな…」
そう言って僕は体を起こした。
「し、真ちゃん?何処行くの?」
「燐に謝りに行く。燐部屋だよね?」
「そ、そうだけど…え?謝るの?真くん悪くないんだよ?」
「いや…せっかく燐が作ってくれた料理に対して失礼なことをしちゃったんだ。やっぱり、燐には謝らないと…」
そう言って僕は部屋を出た。
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