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「お兄ちゃ~ん!!」
夜。僕が自室で勉強していると栞が台風のように突入してきた。
「ん~?何~?」
視線を問題集とノートを行ったり来たりさせたまま栞の方を向かずに答える。
「あれ?勉強してるの?」
「うん。明日編入試験だからね。少しぐらいはやっとかないと」
「さすがお兄ちゃんだね~」
ボフッという音が聞こえたところから考えると、たぶんベッドに腰を下ろしたのだろう。
「…ところで栞、何か用?」
まだ視線は机の上のまま。
「あ、うん。大したことじゃないよ。一緒に寝ようと思っただけだから」
「ふ~ん…」
ん?
そこで僕はようやく振り返った。
栞はパジャマ姿で自分の枕を抱き締めていた。
「………」
「何?」
「…1人で寝なさい」
「え~!?何で~!?」
「何でも」
そう言って再び僕は机に向かう。
「う~…とう!」
うめき声が聞こえたかと思うと、栞が後ろから首に抱き付いてきた。
「こ、こら栞!」
思わず首だけ振り返ると、栞の髪が僕の鼻をくすぐった。
あ…いい匂い…って言ってる場合じゃない////!!
「ん~…お兄ちゃんいい匂い~…」
そう言って僕の首筋の匂いを嗅いできた。
「は、離れなさいって!」
「ごろにゃ~」
栞は僕の声を全く聞かず、ゴロゴロと猫のように密着してくる。
うっ…////なんか無理矢理引き剥がしづらい…////
どうしよ…////?
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