三人

4/4
前へ
/12ページ
次へ
千紗のウチは、 トーキョーに本社を持ち海外なんかにも支社をもってるダイキギョウらしくて、いわゆるアッパークラスのお嬢様なんだとか。 他人からしたら何不自由のない暮らしに羨ましさを覚えるもんだが、なんだかそう簡単に「羨ましーなぁ」って言えない環境下にいるらしい。 まだ全てを話してはくれない千紗から、いきなり三人で暮らそうって話がでたのには、実のところ正直驚いたな。 蓮のウチは、 中1にしてあの外見とオーラを作り出すには充分な環境だった。 蓮が物心付いた頃から、遊び相手と言えば、香水というフェロモンを放ち、化粧というにはあまりに可愛い特殊メイクのような顔料達に塗り固められ、きらびやかなまるで下着同然のブランドドレスに身を包んだ、遊び人の親父さんが毎日のようにとっかえひっかえ連れてくる女豹様達だった。当然お袋さんの顔なんて見たことはないらしい。 今は親父さんすらどこにいるのか解らず、毎日代わる代わるやって来る女豹様方とそれが持ってくる福沢諭吉が100人位入った封筒と毎日を過ごしているらしい。 当時も確かに感じていたが、今こうやって思い出すと、 あいつら…バツグンにとんでもねーやつらだったな。笑
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加