prologue

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桜が満開に咲き乱れていた 春の風が頬をそっと撫でた 10年前 ボクはこの場所に立っていた 真新しいパリパリのシャツと 明らかにサイズのあっていない 黒いガクランに身を包み それがなんなのかも解らない妙な心の高鳴りを胸に抱き 名前も顔も知らない 同じ格好をした人たちの作る並木道を それが向かう方角へと 左足から一歩、 踏み出したんだ。
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