追憶

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「入ろう、三船」 ホワイトリバー北川のいきなりの登場により、ボクたちは、まだ教室の中に入れずにいた。 「そだね、ウン!行こぅ! ンート、…か、神木クン!」 恥ずかしそうに三船はボクの名前を呼んだ 「…なまえ。名前聞いてなかったもんね! ヘヘ。 改めて、これからヨロシクね! … 神木 葎クン。」 名前を言っていなかった事を、ボクは全く気にしていなかった。というか、全く気が付いていなかったといった方が正しい。 あの時、ホワイトリバー北川に対して自己紹介をした時言った、たった一回の名前を覚えてくれていたこと。 何より、あんなに輝いた、恥ずかしそうな笑顔で名前を呼んでくれたこと。 千紗、 …俺、言ってねーけど。 「スゲーうれしかったんだわ」
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