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寮の住人でヤンキー上がりの紗枝さんだった。
「あれ?」
「なんだよ、美紀かあ?」
タバコの煙を吐きながら、紗枝さんは座っていたベンチの隣をぽんぽんと叩いた。
「眠れなかったの?」
「うん、何かなあ」
紗枝さんが差し出したタバコに火を付けて、美紀さんは綺麗な満月をぼうっと見ていた。
四階建ての高さから眺める静かな夜の町もなかなか風情がいい。
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