気付く

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その晩、向井君はラーメン屋にいた。葱チャーシューメンが晩飯だった。   麺をずるずると啜りながら、 入り口のガラスドアを何気なく見る。     ガラスの向こうに、黒いパンプスを履いた女性の足があった。   膝丈で紺色のスカートを穿いている。 暖簾(ノレン)に隠れており、 上半身は見えない。   新しい客だろう、と思った。
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