ボタン。

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「新岡君、ボタン、かけ違ってますよ」 それが、八木沢に声をかけられた最初だった。俺は、小さな頃からボタンをかけ間違えることが多かった。今でも3日に一度はやってしまう。 「あ――サンキュー」 いっぽう、八木沢はいつも制服のシャツのボタンをきっちりと上までかけて、ネクタイをゆるめることもなく、いつでも一分の隙もなかった。
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