アクロバット的急展開ってこういうことか。by海人

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始業のチャイムが鳴る 何処の学校でも定番であろう音のチャイムと共に数学教師が入ってきた。 多分、R長であろう生徒の起立。と言う号令でガタガタ…と皆が席を立ち上がり、流れるように礼、着席。とその号令を追う 「それでは、授業を始める…………。では、教科書64Pを――」 海人の席はおよそ真ん中にあり、そしてありがたいことに、前の席は、体が大きめの男子が座っている。 「――今日はここのページの例2から始めるぞ」 はぁ~あ……と、溜め息混じりの欠伸の後にメンドクセェ‥‥と教師に聞こえないような声を発するのは海人 黒板、もとい大きな背中から視線をずらし例の親友を見た。すると一番前の席のクセに堂々と寝ている。友ながらあっぱれな野郎である 「えーここは√であるからして――」 教師達も慧也には気づいているのだがテストの結果が平均以上な為、何も言えないないでいる そんな親友を羨むようにハァと溜め息をつくと、中根、今日も頼むな。そういうと海人は教科書、ノートを隔て机と一体となる 前の中根という男子は、聞こえたのかは分からないが、黙々と先生が書いていくヘッタクソな字の板書をノートに書き写している 「ここで2乗して√が消えるぞー」 海人はそのまま静かに眠りに入っていった――
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