9人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
彼は急いで洗面所に行き、顔を冷水で洗い、歯を磨きながら、髪をセットしようとするが時間がないのでいつもの如く断念した。
そして、キッチンに向かい、冷蔵庫から食パンとマーガリン、牛乳を出し、食パンにマーガリンを適当に塗りたくり、それを一口に勢いよく口に運んだ
「……ん、ぐっ…」
顔がどんどん青ざめていく。こちらの案の定、どうやら喉に詰まったようだ。
ドンドンと胸を叩き、急いで牛乳を1リットルのパックの注ぎ口にそのまま口をつけて飲む。
「…ング、ん…‥ぶはぁっ…はぁ、死ぬかと思った…」
そういうと口元を腕で拭う。壁掛け時計を見ると針はもうすぐ九時をつげようとしている
急いで、制服に着替えた。
ガチャっ…
彼は眩しさに目を細めながらも空を見上げ、今でてきた玄関を振り返る。
「……いってきます。」
しかし、家からは返事がない。
挨拶は彼の習慣となっているのだろう。
バタンッ…ガチャ、ガチャン。
彼は、今朝見た「夢」のことなどすっかり忘れ、寂しい家に一時の別れを告げ、これから知る運命など知るよしもなく、いつものように学校へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!