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不意を突いて飛んできた女性の声
「なにしてるんですか!濱中君!」
背中にその声が突き刺さりビクッと身体が跳ねる。慌てて後ろを振り返るとそこには女教師ではなく、よく知る女生徒が腕を組み、してやったりといったような顔で立っていた
濱中「なんだ秋奈か……びっくりさせるなよなぁ」
秋奈「海人がケータイを出してるから悪いんでしょ?」
こいつの名前は源 秋奈(ミナモト アキナ)
俺の幼馴染みで、家は離れていたのだが、親同士が昔からの友達だったらしく俺が小さかった頃からよく会っていて俺の親が逝ってからもこいつの家によく世話になった。
海人「ケータイぐらい別にいいだろ?」
ボタンを打つ手は尚も止まらず、目線は画面から離れない
秋奈はそんな海人に呆れてか、全く、海人はいつまでたってもガキなんだから…と溜め息混じりに溢した
海人「…いつまでも姉貴面するなって!」
パタンとケータイを閉じて、秋奈と向き合うも顔を合わせると、あの頃は……と口籠る
秋奈「あの頃は、なによ?」
問われれば少しずつ顔が熱くなっているのが分かり、…あ~面倒くさ。と目線を落としケータイを再び開く
秋奈「面倒くさいってなによ~」
無視されて怒った口調で海人の携帯を奪う。海人が返せよと口を開こうとしたその時
「まぁた、夫婦喧嘩かよぉ…お前らも飽きないね~」
海人・秋奈『夫婦じゃない!!』
「ほら息なんかもぴったりじゃん?」
そんでこいつが天野 慧也(ソラノ ケイヤ)
俺と秋奈と慧也の三人でいつもふざけ合っている
秋奈「慧也……いい加減にしないと…」
どうやら慧也のおふざけが過ぎたらしい。まぁ、それは彼らにしたら何時ものことで
海人は、あー…俺知らね……と両手を挙げて打つ手無しの合図
慧也「ちょ(汗)……秋奈…冗談だって……でも怒るってことは…(笑)」
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