プロローグ

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 いつもの帰り道を通る度に思うよ。 『普通っていいなぁ』 …んなわけねぇだろ! 毎朝起きてはじめに見えるのは同じ天井。 同じ通学路を同じ時間をかけて歩く… 面白くないじゃん? 少なくともおれはつまんないと思うね。 小さいころどれだけ戦隊シリーズのヒーローに憧れたことか… 襲ってくる怪獣… スリルを感じる日常… 憧れるだろ? 男ならさ。 だけどまぁ… 俺だってもうすぐ十六歳だ。 さすがに分かってる。 怪獣とかはこの世にいないってこと… だから、他のことに精を出すよ。 部活とか、勉強とか、まぁ…恋愛とか? あぁ…ちなみに僕は彼女いない歴=年齢です…… 同情はしないでくれ。 余計虚しくなるから… 笑ってくれた方がまだいい… あ~! 『同情するなら彼女くれ!!』 …三点だな… 見ての通りギャグセンスもゼロ… …いいさ、高校では頑張るから… あっでもまぁ、期待はしてるな…! ん? 高校生活にだよ! 義務教育という鎖から抜け出したチルドレンが集う場所だぜ? (なんかあると思わない?) そりゃあ怪獣が化けて高校生やってるとかは期待してないよ? そんな奴いたら… 痛いだろ…? いや、存在がさ。
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