第一章

2/45
前へ
/261ページ
次へ
俺は相馬 信一(そうま しんいち)。 なんだろうね…うん、最近の世の中はつまんないね。 常識的過ぎるってか、なんつうか… 俺も普通に中学卒業して、今は宿題もなんにもない春休みを満喫しているわけだが… 平和すぎるなぁ。 昔の人はよくもこんな物理法則を成立させてくれたもんだ。 退屈でしかたがない。 あぁ…スリルが欲しい! まっそんなこと願ったってどうにもならんことをよく知っている俺なんだけどね。 「散歩でも行くか…」 特に何か理由があるわけでもない。 なんせ暇なんだ、宿題がないわけだし、高校の予習もできんわけだからな。 たまには散歩ってのもありだろう。 いやしかし、俺の家の近くには川があって、結構大きい川なんだ。 春には河川敷に桜も咲くし、結構心地良かったりもする。 俺が川の周りを三十分くらいかな? ぽつりぽつり歩いてたら、前に女の子が見えたんだ。 「何してんのかな?」 遠くでよく見えなかったけど、どうやら知り合いじゃなさそうだ。 と、思った瞬間、何を思ったかその少女は服を着たまま川の中に入っていっちまったんだ。 「…何やってんだ!?」 …さすがにあせるだろう?
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1488人が本棚に入れています
本棚に追加