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俺もとっさのことだったからよく覚えていないんだが、どうやらその少女を助けようと思ったらしく、ダッシュで駆け寄り、その少女の袖をひっぱっていた。
「ちっ、ちょっと、まだ川に入るような時期じゃないって…水冷たいよ?」
「…?あなた誰?」
いやいや、俺が誰かより君が何故川に入っているかってことの方が気になるって…
「あぁ、家が近くにあるから、散歩がてら河川敷を歩いてたんだ。桜も綺麗だしね、そしたら君が川に入っていくから、ちょっと心配になっちゃってさ…」
「…ふぅん、別に大丈夫だし、目的がなければこんな変なことするわけないじゃん…あなたって、ちょっとお節介?」
軽くカチンときた。
まぁ君からしてみりゃお節介かもしんないけど、心配してる奴に向かってそういうこと…
「でも心配してくれたんだよね、ありがとう」
…うん。
そうだよ、最初っから素直にそう言えば…ってあれ?
よく見たら、すっげーかわいいじゃん!
「…?私の顔に何かついてる?」
「えっ?…あっいや別に…」
思わず凝視しちまった。
「とりあえず、今まだ水冷たいからまたにしなっね?」
「…うん、まぁいいけど」
「うん、じゃ俺そろそろ行くわ。またどっかで会えたらいいね」
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