邂逅

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しかし、それは棒かね?」 「いや、これは杖です。」「ほう、それは珍しかね。一度貴殿とお手合わせしてみたいのぉ。」 龍馬は素直な意見を述べた。 「龍馬殿の足元には及びません。」 「果たしてそうかな…。」 龍馬の眼光が鋭く光った。 葉水も視線を反らすことなく涼しげな目で応じる。 殺気などは無く静かに双方見合う。 お互い武術を学んだ者同士にしか理解できない無言の会話だった。 やがて、 「栢山さん、あんた流派はどこや。」 「…神道夢想流杖術。」 「確か、筑後黒田藩にそげな武術があると聞いた事ある。
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