狂犬

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翌日。さなこの依頼のため道場に向かっている。 その日からでもよかったが色々準備もあるだろうからということで今日からとなった。 それにしても江戸という町は人の往来が絶えない。 急いで駆け抜けて行く飛脚や荷車。 それぞれ喜怒哀楽の声(おと)を発しながら歩いて行く人々。男も女も……。 様々な人間模様が集約されていた。 (いつ見ていても飽きないが、やはりなれないな) 葉水はそう思った。 (故郷(くに)の父上や母上、先生は元気だろうか。そして…香代…) すると行く先がなにやら騒がしい。 (何事だ?)
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