狂犬

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「ならん。払わねば切り捨てる!」 「ひ、ひえっ!」 葉水はこの光景を見てられなかった。 (父や母の教え。困った者は助けなければならない。) 「そこの御三方。弱い者いじめはもうよしたほうがいい。」 穏やかな声ながらも顔は毅然とした表情だった。 「あん?何だおめえは。 関係ない奴は引っ込んでいろ!」 小太りの男は手で払うように言った。 「いや、見過ごせん。」 「何だと!俺達は士学館だぞ。」 頬に傷の男が怒りをあらわにした。 「…ふぅ…位は桃井と言われているのに、あなた達の姿勢や風格はとても値しないな。」
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